消費者安全調査委員会がスタートして1年の10月1日に、エレベーター被害者遺族が、内閣府特命担当大臣・消費者庁長官・消費者安全調査委員会宛に要望書を提出しました。


 

消費者安全調査委員会への要望書

                    2013101

内閣府特命担当大臣  御中

消費者庁長官  御中

消費者安全調査委員会  御中                   

エレベーター事故被害者遺族

                                   市川 正子

 

消費者の命と安全を守るための事故調査の専門機関として、消費者庁に2012101日に消費者安全調査委員会が設置されてから一年になりました。この一年の中で事故調査の申し出が102件も提出されたということは、いかに事故の被害者・遺族たちが事故原因究明の調査機関を望んでいたかという証です。ただ、設立されてから一年が経とうという状況の中で、事故の調査がなかなか進んでいないということは、正直、事故調査の進展が遅いのではないかという思いを感じざるをえません。

エレベーター事故から今年で8年目。事故当初、どこからも事故の説明も謝罪もなく、事故の調査・進捗もどこからも知らされず、被害者遺族は疎外された状況の中でエレベーター事故の調査を訴え続けて歩いてきました。昨年の115日に、エレベーター事故被害者遺族は事故調査の申し出を提出しましたが、その後の調査の進行状況が十分知らされない状況があり、またあの時のような疎外感を味わいました。やはり、消費者の目線をもった事故調査機関であるならば、事故の調査進行状況を、できる限り被害者・遺族や消費者に知らせる手段を考えていただきたい。さらに、事故後疎外された状況に置かれてしまう被害者・遺族のために、被害者・遺族への心と体のケア、事故の相談・進展状況などに対応できる被害者支援室を設置していただきたい。被害者支援室には、起きた事故、過去の資料等も含め、事故資料を保管する場を作っていただきたいと思います。

また、消費者安全調査委員会には、人手が足りない、専門委員が足りない、予算が足りないなどの状況がありますが、その状況のために事故調査が遅れるなどということはないようにしていただきたい。消費者安全調査委員会として、運輸安全委員会など他の事故調査機関と協力しあえる状況を確立していただきたい。消費者安全調査委員会のレベルアップに努めてほしいと思います。

エレベーター事故から今年で8年目、2013311日にはシンドラー社関係の被告人、93日にはエスイーシー社関係の被告人の刑事裁判がようやくスタートしました。やっとスタートした刑事裁判の中で、鑑定書や供述調書など重要な証拠がたくさん出てきています。事故当初にこれらが出ていれば、もっと早く事故調査がされ、真の安全対策が直ぐにできたのではと憤りを感じます。

刑事裁判で出てきた証拠を消費者安全調査委員会の事故調査に活かしてほしい。事故調査をする上で必要にならないわけがないのです。司法の壁のせいで調査が進まない、資料等が使えないとの声も聞きますが、この壁をなくす大きな一歩を踏み出してほしいのです。そして、消費者安全調査委員会として、刑事裁判では明らかにできない事故の背景要因、人的要因、組織的要因、技術的要因(なぜ事故が起きたか、なぜ防げなかったか、何が原因なのかなど)を調査・解明・公表し、勧告していただきたい。そして、事故の真の安全対策がとられ続けているかについて、指導し、チェックしていただきたい。なぜなら安全には終わりがないのです。

被害者・遺族の心からの叫び・訴えと真摯に向き合っていただきますよう重ねて要望する次第です。


【上記内容のダウンロード用ファイル】

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