赤とんぼの会 6・3
本会について
平成18年6月3日、東京都港区「シティハイツ竹芝」において、シンドラーエレベータ社製エレベーターの扉が開いたまま突然上昇し、降りはじめている16歳の息子の命を理不尽に奪いました。
事故から6年3カ月、被害者遺族と支援者達は、エレベーター事故も、運輸安全委員会(鉄道・航空・船舶)と同様な権限をもった独立した中立公正な事故調査機関の設置と、このエレベーター事故の徹底的事故原因究明調査を訴え続け、46万人の署名も国土交通省、東京地方検察庁、警察庁に提出してきました。
エレベーター戸開走行事故は、一人の事故問題でなく、エレベーターを利用するみんなの安全の問題と、赤とんぼの会、88の会、野球班の監督、先生方、野球班のみなさま、中学校、高校の同級生、友人、保護者の多くの方々の支援を支えに、エレベーターの安全を求め、独立した中立な第三者の事故調査機関の設置を求めての署名活動、署名は、全部で467,642 名(国土交通省160,561・東京地方検察庁152,723・警察庁154,358)提出した。 たった一人の事故であっても、エレベーター利用者全体の安全に関わる問題だと、再発防止の目的を持つ事故調査機関で、この事故の背景要因まで徹底的に事故調査していただき、この事故の教訓を安全に活かしていただきたいと訴え続けてきました。 しかし、事故から6年3カ月、未だに事故の全面解明に至っていません。 エレベーターは、私たちの生活のより身近にある乗り物であり、子供からお年寄りまでボタン一つで簡単に移動できる乗り物です。高齢化社会と高層ビルの建築という社会状況の変化の中で、エレベーターは、約70万基も設置され今も増え続けています。
これはエレベーターだけの問題では決してないのです。エスカレーター、プール、ジェットコースター、湯沸器。日常生活の中で起きる事故について、責任追及ではなく再発防止のため徹底的に原因究明をしていく体制はまだまだ未整備なのです。 いつどこで、誰に起きるかわからない事故、大事故に繋がらないようにしていくためには、起きてしまった事故を徹底的に事故原因究明調査、解明・公表していくことです。そのためには、独立した法的強い権限のある中立な事故調査機関が必要なのです。早急にこのエレベーター事故の原因を全面的に調査解明し、それに基づいた再発防止対策をとっていただき、この事故の教訓を社会の安全に活かして、二度とこのような悲惨な事故を起こさないための礎にしていただきたいのです。 いまも支援していただいている、赤とんぼの会(高校の野球班の保護者・監督、先生)88の会(高校の野球班の先輩の保護者)、高校の野球班の同級生先輩方、中学校、高校の同級生・保護者、先生、この問題にご理解をいただいて支援いただいているみなさまと共に訴え続けていきます。
このエレベーター事故は、まだ、解決はしていないのです。ご理解とご協力いただける方々がもっと増えていき、このエレベーター問題が大きく動くようお力をかしていただきたいのです。
エレベーター事故被害者遺族 市川 正子