エレベーター事故被害者遺族

                                 市川 正子

平成18年6月3日、16歳の息子がエレベーターから降りはじめている最中に扉が開いたまま突然上昇し、理不尽に息子の命を奪いました。この戸開走行事故から今年で8年目。そもそもこの戸開走行事故は、たまたま起きたのではなく、また偶然起きたわけでもありませんでした。エレベーターは、ブレーキが故障すると、「かご」と「つり合い重り」の重量差でエレベーターの扉が開いたまま走行するという構造上の特性を持っていたのです。この戸開走行事故は、上昇または下降する「かご」の床面あるいは天井と乗降口外枠に利用者が挟まれて死亡するおそれの高い極めて危険な事故です。それにもかかわらず、この事故が起きるまで、戸開走行事故を防ぐための二重ブレーキの設置は義務付けられていませんでした。

 

過去に起きていた戸開走行事故

1984年に戸開走行による死亡事故が横浜でおきていました。しかし、日本で二重ブレーキの設置が新設エレベータについて義務化されたのは2009年です。なぜ日本は二重ブレーキの設置義務化が遅れたのでしょうか。